詩の世界 TOP
TAKA's magicaroom TOP

行ってきますって玄関で
ふと目に止まった擦り切れた
スニーカー

興味本位ではじめたけれど
手を抜いたことなんかない
あこがれた日々が頭をよぎる

勝ったの負けたの騒いでいたけど
敵も味方も真剣勝負

私は私に出来ることをやってきたんだ
戻れない時間の中で悔いは無い

今の私はお気に入りのパンプスはいて歩いているけど
心は前に進まない

お金を稼ぐことも大事だけれど
あと1秒、あと1cm、って明確な目標が見つからない

あいつは私にもっと出来るはずだと言った
私ももっと出来るって信じていた
ただ突き進んできた


喜び叫んだ声も、悔し涙も街の風に乾ききって
制服からスーツに着替えた
ガラスに映った私の姿
服と体が別々に重なっていて
回れ右した服だけが体を残して歩いて行っちゃう

ただもっと早く、もっと遠くに、もっと高くって
一緒に追いかけてきたスニーカーが
次に走り出す日を待っている


ごめんね、
もうアナタと一緒に追いかけられるモノには戻らない
いつかはしっくりなじむはずの相棒と
次の目標に向かって歩いているから

今はまだアナタを思い出すけれど
一緒に流した汗が、次のジャンプの踏み台になるよ

スニーカーとパンプスと